50代の男性は、
会社を起業したものの倒産してしまい
相談電話の最初の言葉は 「死にたい。」
その声に、力があって冗談めいていたから
私は 「どうやって?」 と聞いてみた
すると男性は、力のある声で
「首を吊るか、飛び込むか。」 と端的に答えた
私は命を絶つ方法の相談なのかと思って
「ご相談されたいい内容は?」 と聞くと
男性は 「前向きになれる方法を教えてほしい。」 と言った。
私 「既に、前向きじゃないですか。」
彼 「そうですか? どうして?」
私 「前向きになる方法を知りたがっているもの」
彼 「そうですか。会社倒産してから鬱になり薬も飲んでます。」
私 「鬱病は、あなたの勘違いです。」
彼 「勘違いですか?」
私 「はい。勘違いです。」
彼 「なら、どうして落ち込んでしまうのでしょうか?」
私 「不安があるからです。」
彼 「不安...」
私 「あなたの今一番の不安は?」
彼 「仕事が見つからないこと。」
私 「経済的な不安ですか?」
彼 「そうです。」
私
「仕事は、高望みしなければいくらでもあります。どんな仕事であっても、仕事をすれば最低賃金は収入になります。1ヶ月働けば十分生活ができる収入が得れます。計算してみてください。」
彼 「そうですね。」
私 「選り好みせず、仕事探しをしてください。」
彼 「はい。仕事探します。」
電話は3分もかからず終わった。
きっと男性は、死にたいと言えば止めてくれると思ったのでしょう。
でも私は知っています。
自ら自分の命を絶つ人は誰かに相談なんてしません。
瞬間的に命を捨てる覚悟をしたり、
死ぬ選択肢しか持っていなかったり。
誰かに相談したり話す時間も意味もないのです。
韓国の「カシコギ」という本の一節に
あなたが虚しく過ごした今日という日は、きのう死んでいったものが、あれほど生きたいと願ったあした
生きる意味は永遠のテーマですが、
この言葉は、常に自分に向けていたいもの。